古いラタンフレームソファのクッションを、新しく作り直せていただきました。

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当社のソファをお使いいただいている、近くにお住まいの妹さんから、ソファで困っているお姉さまをご紹介いただきました。買い換えることも考えたけど、このソファの軽くて移動しやすく、お掃除しやすいところを気に入っているというMさん。

40年くらい使っているご様子で、フレームはところどころ傷んできています。ラタン材が交差するところは、太い釘で固定した上を、薄いラタンの皮で巻いてありますが、それがところどころ取れ始めています。クッションは、以前作り変えたそうですが、柔らかくなってしまって、座り心地も悪くなっています。そんな風になってしまって、最近はあまり座らなくなってしまっているそうです。

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フレームはまだしっかりしているので、とりあえずはそのまま使えそうです。クッションは中身のウレタンが柔らかくなり過ぎてしまっていて、かなり型くずれしています。こちらは、中身から作り変える方が良さそうです。

お客さまの年齢と体格を考えながら、長い時間快適に座っていられるようにしなくてはなりません。座面の高さを38cm以下に抑えて、足が浮かないようにするためには、座クッションは厚くできない感じです。その厚みの中で耐久性と座り心地を出さねばなりません。フレームにしっかり角度が付いているので、立ち上がりやすいよう、硬めのクッションにしました。背クッションも少し厚めにして、奥行きが深くなり過ぎないようにしています。

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また、一人がけと三人がけのクッションサイズが、微妙に違っていたのですが、カバーを洗った時などに取り違えそうな微妙な違いだったため、間のサイズで作成し、どこに置いても問題ないよう、サイズや固定用ベルトの位置を調整しました。

張り地は、気軽に家でも洗えるのと、陽当たり良い場所でも色あせにくいようにと、ポリエステル繊維100%で織られたルナをお選びになりました。基本的にドライクリーニングに出すことを推奨していますが、生地によっては家で手洗いし、日陰干しすることもできます。ただ、洗い方によっては、布の風合いが変わってしまったり、縮んでカバーが掛からなくなってしまうこともあるので、ご注意くださいね。この布には何色かの糸が織り込まれているので、汚れが目立ちにくいことにもメリットを感じていただきました。

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亡くなられたお父さまが愛用していらしたというこのソファ。納品にうかがった日は、偶然にもお父さんの誕生日だということでした。お母さんや妹さんと、ソファに座りながら、お父さんの思い出話に花を咲かせていただけたら嬉しいです。

南向きの明るいリビングは、居心地良くて居眠りしたくなるような、穏やかな空間でした。ここで、私もいただいた美味しいジンジャエールを飲みながら、お友達と庭の花を眺める時間もゆっくりと楽しんでください。


文章、写真:心石

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