ソファな毎日

革好きなソファメーカー、 心石工芸のほのぼの日記です。 日々の出来事や、お知らせなど、 ほのぼのと更新しています。

広島県福山市でソファ製造をしています。
詳しくはこちらから>
https://www.sofa-kokoroishi.jp/

2019年07月

こんなところにも職人技!?今回は意外と難しいクッション入れのお話です。張りの現場で働く、力持ちの女性が登場します。


8 仕上げの仕事(クッション)
カバーを洗いたい、替えのカバーを買いたいなどお客様のご要望にお答えするため、布はもちろん革のカバーリングタイプもあります。

カバーリングになると、背や座の部分がクッションになります。

張り込みタイプ(下写真)
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カバーリングタイプ(下写真)
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張りの仕事は革を張るだけでなく、ウレタンと呼ばれる座り心地を左右する素材と、革や布等のカバーをつけて、座クッションや背クッションを仕上げる仕事もします。
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ウレタン(上写真)

私達も、研修中にクッションを入れる作業を体験しましたが、へとへとになりました。そして想像以上にきれいに仕上がらなかったです。自分より背の高いクッションと格闘しなければならないときもしばしば......。
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クッションが奥まで入り切らなかったり、ねじれていたり、角がでていなかったりと、素人がやると、とても残念な形になってしまいます。
せっかく縫製がきれいでも、クッションを入れる作業で台無しにしてしまったり、座り心地にも影響するので、見た目以上に大切な作業です。
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このように、パリッとかっこよく仕上げるには、手と腕の力とある程度の経験が必要です。
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クッションを完成させる際に生地と手が擦れて、指が痛くなります。
コロコロイシ1話で大垣さんの手が「ゾウ」みたい。とありましたが、長年張りの仕事をしていると手が厚くなるのだそうです。
一つのソファを仕上げるごとに、痛い思いをしながら丁寧に仕上げ、経験とともに手に技がついていくということですね。

張りの仕事は、指の痛みと力との戦いです。本来女性がするにはなかなか難しいことなのですが、山根さんは男性に負けないぐらい力があり、ガッツがあり、体力があります。素敵です!
現場で働く女性がこれからもっと増えるといいですね~。

(半田)

どんな革や布でもお任せ!今回は、縫製の現場で活躍する大ベテランのお話。
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心石工芸では、制服に自分でワッペンを縫い付けます。
ちなみに半田さんのは、ワッペンの上を縫わずに、かなり脱線していますね。
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私も半田さんも、ミシンを使うのがとっても苦手なんです。
他にも、クッションのファスナーを逆さまに縫ってしまうなど、たくさん伝説をつくってきました。

研修のときには、使わない布でひたすら縫う練習をしたのですが、2人ともぼろぼろ。
そんな私たち(半田さん)のために、西本さんがペットボトルケースを縫ってくれたのでした。
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入社当初、縫製の現場は、「布や革を縫い合わせる仕事」だけだと思っていた私。
実は、縫製にもいろんな仕事があります。
  1. 縫う(ヌード、革、布)
  2. すそテープづくり
  3. ボタンづくり
など。

①縫う
縫うと一言にいっても、色々な縫い方があるので、もちろんミシンの種類も様々です。
一番よく使うのは、こちら。
一般的なミシンに近いですね。
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少し変わった形のミシンもあります。
オーバーをする際に、このミシンに切り替えて縫っていきます。
※オーバーとは、布の端がほつれないように縫うこと
オーバー
カバーリング(布のカバー)用のすそテープの縫い付けも。
革は基本的に張り込みですが、布のカバーのときはソファから着せ替えられる仕様になっています。
本体の布に合わせてテープの色を変えるため、箱の色も黒・白に合わせて、分かりやすく一工夫!
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②すそテープづくり
すそのマジックテープは、本体と縫い付ける前に、マジックテープと細長い布を縫い合わせるところから始まります。
作ったものは、まとめてマジックテープの箱へ。
テープ

③ボタンづくり
ソファのポイントとして使うボタンは、革の端っこを〇に切って、本体のボタンと革をガチャンとくっつけます。100個くらい必要な時も結構あるんです。
でもこのボタンづくり、なかなか楽しい!
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この機械は危ないので、しっかり集中して作業します。
ボタン
まさかボタンや、テープまで作っていたとは…びっくり。
これがソファの大きさになると、大変な作業なんですよね。
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縫うだけだと思っていたら、その前の細かいパーツづくりも、縫製の大切な仕事でした。
現場に入ってみないとわからないことは、たくさんありますね。
この仕事を何十年もする西本さんは、まさに職人。かっこいいです。

今日も粛々と。

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ここで、心石工芸だけで使われるとっておきの縫製アイテムを紹介!
それは「ライター」です。
オーバーのミシンの横に実は置いてありました。気づきましたか?
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ライターは、縫ったあと糸をとめるときに使います。
熱で糸がキュッとまとまるので、ほどけることがないそうです。
でも焦げないように注意ですよ!
こんな風に…。
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近づけすぎて、ちょっと茶色くなってしまいました。
ま、失敗は成功のもとです。

ぜひ試してみてくださいね!
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来週のそれゆけ!コロコロイシは「上張りの現場。第二弾!」
お楽しみに~!


福本

こんにちは!福本です。
じめじめと蒸し暑い季節ですね。
夏が苦手な私は、すでに夏バテ気味です…

さて、先週はフェイスブックでもお知らせした「大川 夏の彩展2019」に出展しました。
トラックに乗って片道約6時間。広島から福岡まで行ってまいりました。長かった~!IMG_1947

今回は初の試みとして、塚本木工所さんと常盤家具さんと一緒のブース。
塚本さんのダイニング、常盤さんのベッドや収納、テレビボード、そして心石のソファやテーブルを用いて、よりお客様がお部屋をイメージしやすい空間をつくりました。
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当日はあいにくの雨でしたが、お越しくださいました皆さま、本当にありがとうございました。
用意していたお菓子も全てなくなってしまうほど、大盛況でした!
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初めて心石のソファに座るお客様にも、魅力が伝わっていると嬉しいです。 
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ここで、今回出展していたソファの紹介をしようと思います。
【頑張ってくれた子たち】
①パラッソ
張地:MO
しっとりとなめらかな、やわらかい手触りで、「気持ちいい~」と言われることが多かったです。
写真では隠れていますが、パラッソにはペット用のステップもついているんですよ。笑
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②フィナ 
張地:ハム スピンネイカー
今回の展示の中では、スタンダードな形のフィナちゃん。
しかし、よく見ると肘がとても細く華奢なフォルムは、女性向けのデザインになっています。
この水色の張地は、お部屋のポイントにもなるので大人気です!
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③テラ 
張地:KW
今回の主役ともいえるこの子。
張地のKWがいい具合につやが出て、とってもかっこよくなっています。
この経年変化が、革の良さ。実際に見ていただけて良かったです。
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④ナウタ(オットマン ラウンジ)
張地:ラグ
こちらは展示会では、初のお披露目。
張地がなんとラグなのです。そのため、しっかりとしていて、強度も触り心地も抜群。
ほっこりしていてすごく可愛いですが、この時期にはちょっと暑かったですかね?笑
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全体的に脚が長く、座面が高いソファが多いのは、「ルンバでソファの下まで掃除したい!」というお客様が多いからなんです。
時代は変わってきていますね~。私の家にもルンバほしいです。

⑤ハベナ
張地:ヴォーノ
こちらはシックでかっこいい椅子。
ヴォーノはうちでも特別いい革で、RANK4の上をいく最高級のもの。
とても厚くて丈夫なので、特定のソファや椅子にしか張りません。
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初めての大川展示会、たくさんの方と直接お話できてよかったです。
今回は一般のお客様のほかに、うちの子たちを取り扱っている小売店の方も、勉強にきてくださっていました。
私も負けてられません!
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1月の展示会には、なんと新人の私たちが考えたソファを展示する予定です!
ぜひ見にきてください~

暑くなっていますので、みなさん体調には気を付けてくださいね!


福本

革好きの方必見!
今回、普段知ることのできない、革の検品方法、使われない革はどこに行くのか等、革にまつわるお話盛りだくさんです。
革、かなり贅沢に使ってます。
⑥ 裁断(革を切り出す)
そもそもソファに何頭の牛を使うか、みなさんご存知ですか?
ソファの大きさにもよりますが、多いときで4頭分の革を使います。
なぜこんなに多くの革を使うのでしょうか?それには、ソファの大きさ以外に主に2つ理由があります。

1つ目は状態が良い革ばかりではないからです。
天然の牛ですから、一頭一頭傷の付き方が違います。
傷があまりにも多く、状態が良くないと、牛半頭分の革を使わないこともしばしば。
下写真:牛半頭分 
革 半裁

また、一口に傷と言ってもソファに使っていい傷(一般的にナチュラルマークと呼ばれる傷)と、使ってはいけない傷(加工時にできた傷)があり、それを見極め裁断していくのが、まいまいさんのお仕事です。
※ナチュラルマーク:牛本来の切り傷、虫刺され、シワ、血管の跡。

傷にテープをつけていき、テープを避けてソファの型を切っていきます。
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この傷を見つけることが、素人にとっては至難の業。まいまいさんが、長年革と向き合ってきたからこそ見える傷があるんですね。

2つ目はロットの関係です。
革 ロット

この写真実は同じ革で同じ色なんです。
革に着色など加工をする際は、30~50枚一緒にします。この一緒に加工された、つまり同じロットの革を一つのソファに使わないと、同じ種類の革でも色が変わって見えてしまう場合があります。




このように、ソファ一台造る際に、気をつけるポイントが多いです。

加工時の傷や、牛本来についていた傷をさけて裁断すると、どうしても端切れが多くなってしまいます。現在、幅30cmを超える革は買い取ってもらっていますが、細かい端切れは捨てられてしまいます。
革を捨てる量をいかに減らしていくかが今後の課題です。

心石工芸の革が、いかに贅沢に使われているか、おわかりいただけたのではないでしょうか?


次回 縫製第二弾

お楽しみに~。
【半田】

「ソファのカバーってどうやって縫ってるの?」
そんな疑問を抱いたことはありませんか?
あまり取り上げられない縫製ですが、実はとても技術を要する現場なのです。

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簡単そうに見えますよね?私も最初はそう思っていました.…
革の縫製は、布と違うことがたくさんあります。
  • 一度縫ったら縫い直せない(穴が開くため)
  • 縫い代が重なる角は薄くする
  • 革の厚みを乗り越えながら縫わないといけない
  • 柔らかいためまっすぐ縫うのがむずかしい
などなど。
素人の私には、まっすぐ縫うのすら難しく、とても集中力が必要でした。
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角や重なり合うところは、厚みのせいでずれてしまわないように、かなり慎重になります。
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すっごくきれいです!
厚い革は角を薄くすくことで、縫いやすく、そしてきれいに見せることができます。
色が変わっている先端は、すいて薄くなったもの。
この作業をするだけで、格段に縫いやすさが変わります。
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少し縫うだけでも一苦労な革ですが、縫製の方たちはこんな大きな革を縫い合わせています!
何時間かかるんだろう…
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そして、現場に女性しかいないのも縫製ならでは!
優しくてきれいな方ばっかりなんですよ。

永見さんは今日も黙々と作業をしつつ、ほかの人の相談にものる頼れるお姉さん的な存在です。
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漫画の永見さんにもらったクッションは、私たちが仕事をするときに毎日使っています。
ありがとうございます!(背クッションと、座布団)
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次回は革の裁断のお話です。お楽しみに!

福本

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